さよならとその向こう側



ジリジリと焦げ付くような太陽の日差しに少しクラクラしながら、私は何年振りに訪れたのかわからない場所に立っていた。


静岡にある父のお墓。


高台に建つこの場所からは、水平線が綺麗に見える。

私には眩しすぎる真夏の太陽の日差しも、海に映るとキラキラと輝きとても綺麗だった。


日よけの為に帽子を被ってはいるけれど、やはり後から後から汗が滲んでくる。


「本当に今日は暑いね・・・」


お墓に水をかけながら、お父さんとお母さんに話しかけた。



すると、海から爽やかな風が吹いて、私を包んでくれる。


「ずっと、お墓参りに来なくてごめんね?お父さん。これからは、ちゃんと来るからね。」


そんな事を語りかけながら、お花を生けた。