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「そっかぁ、やっと言ったか。」
「・・・え?」
やっとって?
「もしかして亜沙美、知ってたの?」
「うん。っていうか見てれば気付くよ。」
そう呟いて亜沙美はクスッと笑った。
「今だから笑って話せるけど・・・クリスマスイヴの日さ、綾がいなくなったって伝えたら、敦すごい慌てて、仕事放り出して探しに行って。
なのに、せっかく助けてもあんたは意識が中々戻らないし。敦のへこみようったらなかったよ?”頭を強く打ったからなのか”とか”自分がちゃんとかばってあげられなかったからなのか”とか、色々悩んで落ち込んで・・・。
でも、状況が状況だけに私もなんて言って慰めていいか分からなくて、敦のせいじゃないよとしか言えなくてさ。
でね、やっぱり気になって仕方ないみたいで、自分が退院しても毎日病院に行ってたみたい。」
・・・・・・そうなんだ。
私全然知らなかった。
意識を取り戻した後だって、実さんの事ばかり気になって、敦にだって相談したし。
・・・あの時、敦はどんな思いで私を慰めてくれたの?
実さんの事忘れられないって泣く私を見て・・・辛かったのかな?
「全くね、こんな世間知らずで周りに迷惑かけてばっかの綾の何がいいのか知らないけど。」
「・・・確かに。そうだよね。」
本当に、ごもっともな意見です。
時間が経つにつれ、私最低だったな・・・って反省ばかりしてる。
実さんだけじゃない、両親にも職場にも迷惑かけて心配かけて、亜沙美や敦だってこんな私の事心配してくれて・・・。
「本当にごめんね、亜沙美。」
今更だけど、謝らなくちゃと心から思った。


