黙ったまま歩く私達。
「……」
「……」
医務室ってこんなに遠かった?
なんか嫌な沈黙だよね。
当たり障りのない話題を探して話し掛けてみようかと思いたった矢先、敦が面接に行けなかった事を思い出した。
「敦!私のせいで…ごめん、本当にごめんね!」
そう。
私は謝らなくちゃいけなかった。
私のせいで敦は大事な面接を逃したんだ。
だけど、振り返った敦は不服そうな顔をしていた。
「…敦?やっぱり怒ってたの?
私、知らなかったとはいえ、ひどい事してごめんね。」
「――とりあえず中入ろ。」
私の謝罪なんか無視?
いつの間にか着いた医務室のドアを開け、私を先に誘導する敦。
もう一度謝るべき?
どうしようか悩んだけれど、とにかく医務室に入った。


