さよならとその向こう側

なんなの?

これじゃあまるで、私の事を特別だと思っているから川上さんとは付き合えない――

みたいにとれるけど?


聞くに聞けなくて、黙って俯いていた。



「さて、行くか。」

そう言って、敦は私の手首を離して歩き始める。


はい?

今離すなら、何故さっき離してくれなかったの?


ふに落ちない。

理解出来ない。


だけど敦は、立ち止まっている私を見て、呆れ顔でため息をつく。


「早く冷やさないと、すごい顔になっちまうけど?」

「…あ、…うん。」


そうだけど、そうなんだけど……その前に色々説明する事あるでしょ?!!

そう思いながらも、渋々医務室までついて行く。

とにかくカフェテリアを早く離れたかったし、今は文句を言っても仕方ないと自分に言い聞かせながら。