さよならとその向こう側

まだ実さんの事を想う日々は続いているけど、その気持ちは少し穏やかになった。


“絶対に別れない”


そんな風に意固地になっていた時とは違っている。




「…綾?…綾!聞いてる?」

「!?あ…ごめん。」

「もう、しっかりしてよぉ。」


…またぼんやりしてたみたい。

「…まったく、治りが悪いね実病は。」


「え?何それ?」


「だって実さんの事考えてたんでしょ?」


「…う。…そ、そうだけど。そんな病気みたいに言わなくても……。」



今は亜沙美と一緒にカフェテリアで休憩中。


こうして話のネタにして笑い合える程、実さんとの事が過去になってきている。



嬉しいのか、悲しいのか、自分でもよく分からないけど。