さよならとその向こう側

「あぁ、早いけど俺が誘った。一応二人には報告しとこうと思って。」


「報告?」


何の事だか分からなくて、私と亜沙美は顔を見合わせた。


「綾にも亜沙美にも色々相談にのって貰ったけど、昨日彼女と別れたんだ。」


え…?


「「えええーー?!」」


私と亜沙美は、思わず声が揃ってしまった。


「…おまえら、声でかすぎ…。」




私達の職場は大型ショッピングモール。

アウトレットのブランドや日用品、食料品など、ありとあらゆる物が揃う。

出店数も多く敷地も広大な為、郊外にある。

その為ランチは外食よりも、カフェテリア(社員食堂)で過ごす従業員が多く、早目の昼とはいっても既に周りには三十人程の人達がいた。


……もちろん、その方々から注目を浴びてしまった訳で…。




「ごめん、敦。」

「静かにします。」


そう言うと、敦は呆れた様にふっと笑った。