そして長野に帰る日。 携帯を新しくした。 番号もアドレスも変えた。 私はもう、立ち止まっていたくないから。 前に進みたいから。 本当はちゃんとさよならを伝えるべきかもしれない。 でも、会えば……離れられなくなるから。 新幹線に乗る間際、心の中で話しかけた。 ”さよなら、実” ”綾さんと幸せに――” ドアが閉まり、走り出す新幹線の中……静かに涙が頬を伝った。