「それは、やっぱり私の事が有ったから…。」
絶対それが原因だと分かってはいるけど、でも、申し訳なくて……。
私は、実さんの人生を変えてしまう様な原因を作ってしまった……。
何も言わない実さんを見ると、少し困った表情をしていた。
やっぱり否定はしないんだ。
「…ごめんなさい。私のせいで、そんな事になるなんて。――あの、父に頼んでみますから!実さんが辞職しなくて済む様に。だって私が大学に行かなければいい事だと思いますし……。」
「――ありがとうございます。でも、もう決めた事ですから。綾さんは気になさらないで下さい。確かに今回の事があって辞職する事にしましたが、教授も綾さんも悪くありませんよ?私が自分で決めた事です。」
「でも!私のせいで……。」


