さよならとその向こう側


私の顔を見て言いたい事が分かったのか、叔父さんと叔母さんは頷いた。


「どうやら姉さんも読んだみたい。…指紋が残っていたそうよ。」


「え?!お母さんも読んだの!?じゃあどうして――。」




どうしてあんな事したの?



聞きたいけれど、その言葉を飲み込んだ。


お母さん本人にしか分からない事だから――。



「これは私達の勝手な想像でしかないけれど――多分姉さんは、別れ話をされて頭に来てあんな事をしてしまって……それから、この手紙を見つけたのだと思うの。」


叔母さんの言葉を聞きながら、手の中にある手紙を見つめる。



そして気づいた。


紙の端の方、字が少し滲んでいた。


「…この部分…。」


指でなぞってみても、何もわからないけれど…これは涙の跡?


「…多分、姉さんの涙…だと思うわ。現場から発見した時には既にその状態だったそうよ。」