さよならとその向こう側

思わず実を抱き締めていた。


こんな彼を初めて見た。


私よりも年上で、優しくて頼りになって。


いつも甘えてた。



本当は、理由はどうあれ、実が決めた事なら、私は別れを受け入れなければならないと思っていた。


きっと最後まで優しく諭す様に、私に別れを選ばせる説明をするのだろうと思ってた。




なのに、何でそんなに取り乱してるの?

何で涙を流してるの?



そんな姿を見たら、私は別れられないよ。




諦められないよ。