さよならとその向こう側

なんて言って声をかけたらいいのか分からなくなって、またベンチに座り直し俯く。



とにかく謝って――。

それから、えっと――。



そんな風に、どうやって話掛けようか悩んでいた時だった。



「綾?」



呼ばれて慌てて顔を上げると、いつの間にか目の前に敦が立っていた。




「……あ、敦。」


驚いて、なんとも間抜けな返事しか出来なかった。