さよならとその向こう側


声を掛けようとベンチから立ち上がったら、噴水に遮られていた敦の全身が目に入った。



ギプスのついた脚、松葉杖。



そんな敦を見て、昨日の話を思い出す。



……私を助けたからだ。


……だからあんな怪我をしているんだ。


退院したと聞いたから、すっかり、元気なのだと思い込んでいた。



私、最低。


私のせいで、敦にまであんな怪我させて……。