さよならとその向こう側


「…はぁ。」


昨日からもう何度目かわからない溜息がまた出る。


俯きながら、近くにあるベンチに座り、目の前にある噴水を眺めた。



すると、噴水の向こう側に喫煙所があるらしく、何人かの人達が寒そうにしながら煙草を吸っていた。


よく見ると、その中に見馴れた顔が……。



敦だった。