さよならとその向こう側

中庭は、廊下から見るよりも広かった。


冬特有の、葉のついていない寒々しい木々が等間隔で立ち並んでいて、間にベンチが置いてある。


今はまだ、寒さにじっと耐えている様にしか見えないけれど、春になったら、この木々達は眩しいくらいの新緑を沢山見せてくれるのだろう。



――なんだか切なくなる。

木は春が来るのを知っている。

だからこそ寒さに耐えられる。



――じゃあ、私は?


行き場の無い報われない想いをいつまで抱えているの?

私には春は来ないの?