さよならとその向こう側

「・・・はぁ・・・はぁ・・・。」



・・・思い出した。




「綾!!大丈夫!?」

「佐和田さん、大丈夫ですか?」




先生やお母さん達の声にハッとした。


「はい。・・・大丈夫です。」



思い出した途端、酷い頭痛も吐き気も、少しずつ治まっていく。


「大丈夫ですか、良かった。ただ、顔色がよくはありませんので、まだまだ体を休めた方がいいでしょう。今後の検査の事などは、また明日にでもお話に伺いますので、今はゆっくり休んで下さい。」



「・・・はい。」


先生は私の脈を計るのを止め、両親にお辞儀をしてから病室を後にした。