さよならとその向こう側



「綾!!」

いつの間にかドアが開いていて、しびれを切らした父が飛び込んで来ていた。



「・・・お父さん。」



私、・・・私1ヶ月も目を覚まさなかったの?

だからお母さんはあんなに驚いたの?


だから、父もこんなに血相を変えて、取り乱して、駆け付けてくれたの?



でも、どうして?


「綾。本当に無事でよかった・・・。」



私の思いとは関係なく、父は嬉しそうに涙を浮かべていた。


「神田君もとても心配して、毎日見舞いに来てたんだ。」