さよならとその向こう側





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その夜、おばあちゃんは息を引き取った。



「きっと、彩夏が来るのを待ってたんだね。」

と、叔父さんも叔母さんも言ったけど……。


でも、一言も言葉を交わしてないよ?

私、おばあちゃんに話したい事沢山あったのに。



"もっと沢山帰ってくれば良かった……ごめんね。"

"私をいつも守ってくれて、ありがとう。"


ひとつも伝えられなかった。