さよならとその向こう側



おばあちゃんの病室は個室だった。


外の寒さなんて感じられない程、窓からは暖かい日差しが差し込んで来て、部屋は明るかった。


なのに、その部屋にそぐわない姿が、そこにあった。


点滴に酸素マスク。

青白い顔でベッドに寝ているのは、紛れもなくおばあちゃん。


去年会った時と、印象が全然違っていた。




静かな部屋の中、心拍数を測る機械の音だけが、響いていた。