さよならとその向こう側





結局、夜11時を過ぎても綾さんを見つける事は出来なかった。




『これ以上は本当にもういい。君に情けをかけられてるみたいで、綾が気の毒だ。』


最後の電話で、教授に言われた。


本心なのか、私を解放する為かわからないが、正直堪えた。



自分の気持ちは紛れもなく彩夏にむいている。

だから仕事さえ、夢さえ諦めれば二人で生きていけると思い込んでいた。



だが、違うのか?



綾さんの気持ちなんて、考えて無かった。


どうしてわかってくれないのか?と、一方的に自分の感情ばかりに捕らわれていた。



私は、なんて愚かなんだ……。