さよならとその向こう側


「・・・・・・駄目ですね。」


そう言ってため息をついた私を見て、教授の顔はますます曇っていく。




「神田君、私は今日は帰らせてもらうよ。今の綾は、何をするかわからない。心配で仕事どころではないからな・・・・・・。」



「教授!それなら、私も綾さんを捜します!」



綾さんの事は、自分に責任がある。

このまま、綾さんを放っておく事など出来る訳がなかった。




「今日は、クリスマスイヴだぞ?君は・・・大丈夫なのかね?」


「・・・はい。」




教授の言いたい事はわかる。

彩夏の所に行かなくていいのかと、聞きたいのだろう。



もちろん、彩夏に会いに行くのを諦めた訳ではない。

だけど、綾さんとけじめをつけてから迎えに行くときめていたから。


彩夏はきっと、わかってくれるはすだと、信じていた。