さよならとその向こう側

とりあえず目に付いた携帯を契約して、慌てて大学へ戻る。




「教授、すみません。お待たせしました。」


研究室に入ると、教授は誰かと電話中のようだった。



「---ああ、頼んだぞ。綾から連絡が来たら、私にすぐに連絡をくれ。」




電話を切った教授は、ため息をついた。



「教授、綾さん・・・まだ連絡が取れないのですか?」


「ああ・・・今自宅にも連絡してみたが、綾からは連絡がないそうだし、妻が携帯にかけても出てくれないそうだ。」


「・・・そうですか。」



「すまないな、神田君。悪いが綾に連絡してみてくれ。」



「はい。」







そうして、教授に綾さんの携帯番号を教わり、電話をかけてみる。