さよならとその向こう側

どういう事だ?


どうしてさっきまでここにあった携帯が、今は圏外なんだ?


それとも電源が切れてる?

……いや、昨夜ちゃんと充電してあるし、切れる事はないはずだ。



色々考えながらも辺りを探してみるが、やはり見つからない。



「…神田君。」


「はい?」


「今日はもう急ぎの仕事もない。…携帯は買って来なさい。確か前と同じ番号のまま買えるはずだな?」


「…ええ。携帯を無くしたと言えば、大丈夫だと思いますが……。そんなに慌てなくても、もう少し探してみます。」


私は、きっとどこかにあるはずだと思っていたから、探せば見つかると考えていた。




でも、教授は思いがけない言葉を口にした。