さよならとその向こう側



「それでは失礼します。」

彼女が研究室を出ていったところで、教授はポツリと呟いた。



「そういえば今日の予定を聞かれたな。……そうか、ここに来て神田君に会うつもりだったのか。」



「……。」



それならどうして、顔を見せなかった?


断っても断っても毎日待ち伏せしている綾さんなのに?







……まさか。



教授との会話を聞いていた?!