さよならとその向こう側

頬を伝って静かに流れる涙は……後悔からか、悔しさからか……自分でもよく分からなかった。




でも、もう後戻りは出来なかったから……。





屋上から、大学の敷地内にある貯水池が見えた。


きっと防火用水なんだろうけど、学生も職員も滅多に近付かない場所にあるその貯水池に、私は向かった。

誰にも見られない様に、非常階段を使って。




そしてその貯水池の中に、


実さんの携帯を


……放り投げた。