さよならとその向こう側



はぁ…はぁ…。


研究棟の屋上、五階まで駆け上がって来た為、息が切れて苦しかった。


そしてここまで来る間に、着信は途絶えていた。




今は全く振動しない実さんの携帯を開き、私は着信履歴を見た。




[彩夏 090-****-****]




表示されたその番号。



そして、躊躇わず、



通話ボタンを押した。