さよならとその向こう側



切なくて


悔しくて


情けなくて


胸が苦しかった。

涙が止まらなかった。



私がここにいる事を、応接室の二人に気付かれる前に研究室を出て行こうと、一歩足を出した時。




――ブ---ブ---


何か、機械の様な音が聞こえて来た。


ブ---ブ---ブ---



やだ、なんだろう?

このせいで、実さんか父がこちらに戻って来たらまずい…。


そう思って慌てて音の正体を探した。