さよならとその向こう側

「本当に素敵です。また、この夜景を見に来てもいいですか?」


あえて聞いてみた。


"はい"とか"是非"とか答えてくれれば、今から聞く話は別れ話ではないって事。


でも、実さんは何も答えてくれなかった。


替わりに、

「…すみません。」

と言われた。




その瞬間、私の目からは涙が沢山溢れて来て、ポタポタ落ちてベランダに染みを作った。



「綾さん、電話で伝えた話についてですが。」


聞きたくなかった。


「…嫌です。」


だから、無意識に呟いていた。


でも、実さんは話をやめ様とはしなかった。