さよならとその向こう側

それからしばらくして、車のエンジン音が聞こえてきた。


きっと実さんだ。


そう思うと、私の心臓は早鐘の様にドキドキ言いだす。


予感は的中してベッドに置いてある携帯が鳴り出す。

そしてそれを恐る恐る手に取る。

怖くなってきた。

携帯を掴む手が震える。


だけど今さら、話なんて聞きたくないとも言えない。


両手で握りしめた携帯を開いて、ゆっくり通話を押した。






「……もしもし…。」