「今から、綾さんと話をしてくるよ。」


「うん。」


実の顔をまっすぐに見つめながら答えた。

次に聞くのは終わりの言葉。

そう覚悟したのに……。


「俺の気持ちをはっきり伝えてくる。」


………え?

俺の気持ち?

ってどういう事?


「……だから、ちゃんと決着がついたら……彩夏に聞きたい事がある。」


「聞きたい事?」


「ああ。だけど、まだ今はいい。今の俺には聞く権利がないから。」


そう言って少し寂しそうに微笑む実。


私は、その言葉の意味が全く理解出来なかった。


「ねぇ…。」

「じゃあ、行ってくるよ。」


実はそう言い、私が聞き返そうとしたのを遮った。

それから私の唇にキスをした。





結局意味がわからないままの私を残して、実は帰って行った。