ふたつの恋の物語

『俺は東子は悪くないと思うよ。』

「うん・・・」

『俺が東子だったら2人とも殴ってんな!』

そういってあたしの頭をくしゃくしゃと撫でて笑った。


「だって殴ってハルに愛想尽かされたら嫌じゃん。」

『お前ばか?!今更だって!』

「そうだけど・・・」

『ありのままいればいいんだよ。
だからずっと両想いだったんだろ?』

「でも女に媚びられて喜ぶやつだとは思わなかった。」

シュンはふぅとため息をついた。


『あいつにそういう気がなかったの本当は分かってるくせに。』


そう言われて止まった涙がまた溢れてきた。
シュンはあたしを抱きしめてくれた。


そのときガラッとドアが開いた。

『あら?誰かいるの?』

先生がカーテンを開けた。

『ごめん!お取り込み中だった?』

先生は申し訳なさそうに手を合わせたけどカーテンを閉める気はないみたい。

『なんで俺と東子がお取り込み中なわけ?!』

シュンはベッドから立ち上がって先生と話し始めた。

『あいつ寝不足でふらついてたから寝させたげて。』

『山田さん、だめよ!あんまりヤりすぎたら!!』

「ヤってません!!!!」

先生はケラケラ笑ってカーテンをしめた。