ふたつの恋の物語

沙織はみんなに嫌われている。
いつもとりまきを連れてて、男の前ではぶりっこ。

そして女にはえらそうにする。


友達の彼氏とか平気で寝取るし・・・

でも男はそんな沙織に騙される。


あたしは沙織が大嫌いだ。
何人も沙織に泣かされた子を見た。

沙織も沙織だし男も男だよ。



『東子!!沙織のボディタッチ始まったよ!』

志織が小声で教えてくれた。

標的は・・・・・やっぱり。


ハルだ。


ハルは嫌がって苦笑いをしている。

あたしはもう耐えられなくなって勢いよく席を立った。

ガタンと椅子が倒れる音がした。


沙織の所まで睨みつけながら歩いていく。

ハルは危険を察知してか沙織から離れた。



「ねぇ。」

あたしは沙織を見下しながら言った。

「人の彼氏、べたべた触らないでくれる?」