ふたつの恋の物語

『きっしー、かなり東子にべったりだね〜』

志織があたしの向かいの席に座って言った。
美幸もあたしの隣に座る。

あたしはちらっとハルの方を見た。
友達5人くらいと楽しそうにはしゃいでる。


『てか岸本くんってあのグループと仲良かったっけ?』

『あぁ、中学一緒だから仲いいよ。』


美幸がそう思うのも無理ないかも。
ハルは割と大人しめだし女の子ともあんな話さない。
あのグループは女の子と仲いいからな。


そうやって話しているとあたしの嫌いな女の子達が来てハル達のグループと話している。
ハルがいるのにびっくりしている。

あたしは見てるといらいらするから顔をそむけた。


『あ、きっしー沙織の標的にされてんじゃん。』

「え゛、、、」

志織の言葉に思わず反応してしまった。
ハルを見ると沙織と楽しそうに話している。


『あー、、、ほんとだ。
確か沙織ってあのグループの中に彼氏いなかった?』

「こないだ別れたよ。」

あたしはまた机に突っ伏した。

『『まじ!?!?』』


2人が驚くのも無理ない。
だって付き合いだしたのはつい一週間前。

あたしは絵梨から(正確には俊くんから)聞いていた。