ふたつの恋の物語

「悪い虫って何?」

『ん?ああ・・・
なんか2年で東子のこと好きな奴がいるらしいんだけど・・・
さすがに諦めるだろ。』

そう言ってハルはあたしの手を引いた。


『ほら、教室行くぞ。』

あたしはハルに引っ張られるように教室へ向かった。

教室にはもう10人くらいいて、みんな誰かと話している。
3年にもなるともうグループが出来てるからね。

あたしはこのクラスには絵梨みたいな特別仲がいい子はいないけど、なんとかやっていけそう。


話をしていたグループがあたしを見つけ話しかけてきた。

『東子ぉ!!こっちおいでよ!』

「うん!!」

あたしはハルから手を離そうとした。
でもハルはちっとも離してくれない。
むしろ力込めてる・・・?