ふたつの恋の物語

部活が終わってうちに帰ると東子と春樹がゲームをしていた。

『あっ、シュンおかえり〜』

東子がこっちを向かずに言った。


「よく俺だって分かったな。」

『何年一緒にいると思ってんのよ。
あっ!!いや〜!
ハルのばかぁ・・・』

テレビを見ると格闘ゲームで東子が負けていた。


『東子弱っ!!
現実では強いのにな。』

『なっ!超失礼!!!!』

ハルの背中をバシンと叩く音が聞こえた。

『いってぇ!!』

「お前ら小学校かよ・・・」

『じゃあシュン変わって!
あたしの敵とってね!!』

「任せろ。俺が春樹に負けるかよ!」


東子と交代し春樹と対戦する。
東子は俺と春樹の間に座って野次を飛ばす。


『もう!シュン弱いじゃん!!』

「うっせ!!!」

『よし!こうなったら・・・』


東子が春樹のコントローラーにそっと手を伸ばし、どっかのボタンを押しまくった。

『うわっ!東子!!お前何すんだよ!』

『邪魔。ほらシュン!頑張って!』

「ナイス!!」

俺は春樹を倒した。