「なんか嫌なことでもあった?」

『いや、そういうわけじゃないんだけどさ・・・』

「ハルは相談しないから〜。
シュンにでも言えばいいじゃん。」

『そうだなっ!うん・・・』


なんか今日はいつもと違う感じ。
よく分かんないけど・・・


「てかねっ!聞いて!!
シュンってばあたしの腕掴んで階段まで行ったの!!
それが喧嘩の原因なんだけど・・・」

『東子そんなんで怒ってんの?』

「だって誤解されるじゃん!!」

『そうか・・・』

ハルは考え込んでしまった。


「シュンが嫌いとかそんなんじゃなくて
千里が嫌がるって思ったからさ・・・」

『根元さんのこと考えたわけだ。
東子えらい!!』


そう言ってハルはあたしの髪の毛をくしゃくしゃと撫でた。

「もうぐしゃぐしゃになる〜!」

そう言いながらも嬉しいあたしはにやける顔を抑え、髪を直した。

「仕返し!!!」

あたしは手を伸ばしてハルのストレートの髪をぐしゃぐしゃにした。


『おい!ワックスとれる!!』

そう言ってあたしの腕を掴んだ。
視線がぶつかる。

心臓の音が大きくなってくる。