ふたつの恋の物語

メールを返してふと顔を上げるとハルが手招きしていた。


「どうしたの?」

ほんとは嬉しくて飛びつきそうだったけど、その気持ちを抑えて話しかけた。

『メールするより直接話した方が楽だろ?』


あたし達は廊下に出た。

すると俊くんがちょうど横切った。


『東子、春樹には怒らないのな〜。』

「ハルは強引じゃないもん。」

『ふーん。春哉にも優しくしてやれよ?』

「十分やさしいです〜。」


何のことか分からないハルはキョトンとしている。

俊くんが去っていってようやくハルは口を開いた。

『春哉と喧嘩したの?』

「喧嘩ってゆうか・・・
まあ喧嘩なんだけど・・・」

『みんな誤解してるよ?
2人が付き合ってるって。』

「うん・・・」

『東子ってさ・・・』

ハルは下を向いた。


「何?」

『春哉のこと好きなの?』

ハルの顔は少し寂しそうに見えた。

「んなわけないじゃん!!」

そういってハルを叩いた。

『いってぇ!』

「ハルまで誤解しないでよ〜」

『だよな・・・
俺最近考えすぎかも!』