ふたつの恋の物語

「こわ・・・」

あたしは順くんが入っていった校舎を見ながら呟いた。


『あいついい噂聞かないしな〜』

「そうなの?!」

振り返ってハルを見るときょとんとしていた。

『知らんかったの?』

「知らないよ!!もう・・・言ってよね!!」

『大丈夫だって。
それより変なことすんなよ。』

ハルは卵焼きを食べながら言った。

「変なこと?」

『下手にあいつに近づいたりとか!
俺は大丈夫だけど東子が心配だわ・・・』

大きなため息をついてハルはお弁当を食べる。

「てかよく食べれるね。
あたし食欲失せたよ・・・」

『とりあえず!!!
あいつになんかされたら絶対言うこと!!!』

ハルはあたしを指差して言った。

「はい・・・」


でもハルが危ない目に遭うのは嫌だよ・・・