ふたつの恋の物語

あたしたちは中庭でお弁当を広げた。


「なんでそんな怒んの!」

『お前だって怒ったじゃん。』

「う・・・
で、話って何?」

『あのさ・・・俺、あいつに宣戦布告されたっていっじゃん?』

「うん・・・」

『もちろんふざけんなっつったけどさ、あいつ・・・』


ハルの顔が曇った。

「何?」

『どんなことしてでも奪うって言ったんだ・・・』

「どんなことしてでもって・・・
ハル殺すとか?」

『バカっ!殺すな!』

「じゃあなんなんだろう・・・」

『さあ?まあ大丈夫だろ?』

「なんかあったらすぐ言ってよ?」

『お前もな。』


そう言ってハルはあたしの頭をくしゃっと撫でた。