ふたつの恋の物語

その日は全部球技大会の練習。
三学年みんなだから体育館やグラウンドを使える時間は決まってるからだいたいは教室で作戦を立てたりしていた。


うちの学校は球技大会に妙に力が入っていて今日と明日は練習で明後日は本番というハードスケジュール。


作戦会議中にハルの方をちらっと見ると一段と張り切っていた。

『岸本くん、楽しそうだね。』
隣にいた美幸が話しかけてきた。

「ほんと。あたしよりバスケの方が好きなんじゃない?」

『でも、そんな岸本くんが好きなんでしょ?』

「まあ・・・・」



いきなり教室のドアがガラッと開いてシュンが入ってきた。

『次3組体育館だから〜!』

「はいはーい。」


それだけ言ってシュンは出て行った。



みんなで体育館に移動して練習をした。

体育館を半分に仕切ってまずは男子バスケと女子バスケ。
その後男子バレーと女子バレーの練習になった。

あたしたちは体育館の隅に座ってあたしの希望により男子バスケの練習を見ることにした。