キスしたあと、私と目を合わせずに、その場から立ち去った。 彼の背中を見送る。 「陸!! いってらっしゃい!!」 彼は、振り向かずに、ゆっくり手をあげる。 そして、私にだけ聞こえるような声で、「また、一年後」そう言って、彼は見えなくなっていた。 さっきまでの涙は枯れ果てていて、残ったのは、「笑顔」だけ。