医者は、大丈夫だと言っていたが、何時間経っても起きる気配がない。
不安なまま、時間だけが過ぎていく。
ガラッ!
部屋のドアが開いた。
「お兄ちゃん!」
入ってきたのは、小学校低学年くらいの男の子と、ハタチくらいの女の人。
「あの、、陸はどうなんですか?」
女の人が話しかけてきた。
「先生は、大丈夫だと言っていました。」
「そうですか。」
女の人は、ホッとしたように陸の方へ近づいた。
「あのぉ……どちら様で……」
「あ、ごめんなさい。
私は、陸の姉で亜由美(アユミ)って言います。年は21です。
で、この子が私たちの弟で元希(ゲンキ)って言います。小学校2年生です。」
これまぁ、ご丁寧に。