春休みのある日
小田から電話が来た



「はい。」

「さき?新聞みた?」

「見とらんけど」

「佐々木、飛ばされたよ」

「そーなんじゃ‥」

「反応うっすー」

「‥‥‥」

「佐々木と何かあった?」

「‥振られた」

「佐々木が飛ばされるけぇー?」

「分からん」

「理由聞いてないん?」

「何で?って聞いた。でもゴメンしか言わんかった。」

「それで納得したん?」

「納得はしてない。てか納得出来んけど、受け入れるしかないじゃろ」

「‥佐々木何考えとんかね」

「‥‥‥」

「じゃ佐々木会うの離退任式の時だけになるね」

「うん。」

「さき、大丈夫?」

「‥大丈夫。まあ今から用事あるけ切るわ」

「分かった。またね」




小田との電話を切り
新聞を見た




「‥飛ばされるの早いよ‥」



佐々木から貰った指輪を握りしめ

静かに泣いた