「ヒトとは…彼らの俗称なのだが、ときにこうした行為をする。

それは生き物が食すためではなく、お互いの子孫を遺すための争いでもない。

私にはただ、己を失ってもがいているようにしか思えない。

だからそういう者達には、命の煌めきが見られない。」


彼らは何のために生き、命を落とすのか。

風はそういって嘆くように深いため息をついた。


《何のために生き、死ぬのか》


その答は己のみがみつけられる。
少なくとも僕はそう思う。

だから僕は旅をする。


命の煌めきは、ときとして失われるだろう。
でも、完全になくなることはない。

その命あるかぎり、煌めきは煌めきを生み、絶えることはないのだ。

きっと。



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