青黒い世界に黄金の輝きが、それを塗りかえる。

朝がやってきた。

朝の光の波は、早々とその世界を色鮮やかに作り替え、温かな熱をもってすべてを包みこもうとしている。



…僕は雫


僕は昨日の夜、夜露としてこの葉のうえに舞い降りた。
仲間達もこの神聖な輝かしい奇跡に、瞳を輝かせながら旅立ちの瞬間を今か今かと待ち望んでいる。


僕達雫は、この光の波がこの地上を完全にのみこんだ瞬間から旅を始める。


僕達は、熱に包まれながら、朝の張り詰めた空気の中に嬉々として溶けていった。


………僕の旅がはじまった…





.