「ふぁ~ 眠たい…」

斉藤 唯
17歳

「唯、いつまで寝てるの?」


朝日が眩しかった。

「今、起きる…」


チーン

「パパ、おはよう。」

私が生まれて1年目の春…
パパは交通事故で亡くなった。

「(もう一度、会いたいなぁ。)」


「唯!」

「はーい。」

ガチャ

「行ってきます!」


急いで玄関を飛び出した。

カンカンカンカン

「間に合った…」

「(ん?)」


線路に女子高生がひとり、
淋しそうな顔をして立っていた。

その向こうには電車がこっちへ向かって走ってくる。


「危ない!」

私は遮断機をくぐり、その女子高生を助けようとした。

その時…

私の身体が、女子高生を抱きしめながら宙に浮いた。


「(え…?)」

そして、すごい音と同時に地面に身体を強く打ち付けた。


「痛…」

「大丈夫?」


目の前にいたのは……
目の前にいたのは…
目の前に……