ゴウゴウ ヒヨォォォォォ 枝が撓い互いに擦れあう音がまるで悲鳴のように闇の中に響く。 その中をシールズの掲げるランプの明かりがチラチラと見え隠れしながら進んでゆく。 雨は容赦なく彼を打ち、千切れた木の葉が時折彼の濡れそぼった髪にベッタリと貼り付いた。 (デニス、何処にいる!) とうとう彼は泉の畔にたどり着いた。 いつもは穏やかな泉の水面も今は激しく波打ち、ところどころには小さな渦が出来ていた。 シールズはランプの灯りを頼りに辺りをグルリと見回した。