泉での約束の翌日から、シールズはデニスのアトリエへ通い始めた。 アトリエでのデニスは、一心不乱にデッサンに打ち込み木炭を握る手をひと時も休めなかった。 その様子にはさすがのシールズも驚き、次々と出される構図の要求を黙ってこなしてゆくばかりだった。 ある日のこと、シールズがいつもの様にデニスを訪ねると彼は珍しくカンバスに向かっておらずベッドに腰を下ろしたまま頭を抱え、何やら考え込んでいる様子だった。