「…何で“あの唄”を歌ったんだ?」 「えっ…」 予想していなかった言葉に少し戸惑う。 「“あの唄”がなんで最後まで歌ってはいけないって言われてるか知ってるか?」 「拓哉?…どうしたの…?」 拓哉が突然『烏の唄』のことを話し始めたので驚きが隠せない。 「あの…『烏の唄』は最後まで歌うと“死ぬ”んだよ。死者を蘇らせる代償として…」 「……」 静香は明かされた真実に言葉を失った。 「お前唄の歌詞覚えているか?」 静香はふるふると首を横に振る。 「あの歌詞にはちゃんと意味があるんだ。」