似非家族

意外……でもなかった。


「何なんだあの寝相は!?逆さになるどころか一周して元に戻ってんだぞ!?」

「そんなに酷い?」

「ひでぇなんてもんじゃねぇぞ!?俺は何度ミゾオチくらったことか……!!」

「私はないけど。」


文子さん、私、和四、メグの順番で並んで寝ているけど、和四の寝相の被害にあったことはない。


「マジかよ……わざとか?」

「だとしたら見直すわ。」


和四のことだからそんなことはないと思うけど。


「暑さだけでもどうにかなりそうだってのに……睡眠妨害もいいとこだぜ。」

「並びを変えるにしても確実に誰か1人は被害にあうし……。」

「いや、お前らがアレくらったら折れるって!」


そう言って並び替えはしないと言うメグ。

和四の寝相は相当なのだなと思うと同時に、私はメグの律儀さに感心していた。

実はあの優等生気取りと一悶着あった後、メグは店長さんが止めたにも関わらず、“騒ぎを起こしたから”という理由でパチンコ店のバイトを辞めたりしている。

初めは、尖った心をへし折って上手く取り込んでやろうと思っていたのだけど、妙に律儀で優しくて……。

尖っているのは見た目と口調だけだったようだ。

当初の見解とはまた違った意味で、彼は厄介な存在のような気がする。

これもまた、想定外。


「あー、早いとこ住み込みのバイトみつけておさらばしてぇな。」

「そんなに簡単には行かせないから。」


ボヤくメグに不適な笑みで宣言したときだった。




「あのー……」