似非家族

「メグー。」


アパートの階段に座っている彼に話しかける。

すると、彼はとても不服そうな顔でコチラを見やった。


「……その呼び方、どうにかなんねぇのかよ?」


家族になって以来、私と和四は彼を“メグ”と呼んでいる。

因みに文子さんは“恵さん”と丁寧に呼ぶ。

けれど、やはり下の名前で呼ばれるのは相当耐え難いらしい。

そんなとき、私は決まってこう言う。


「じゃあ……」




「パパ……?」




「メグで結構です!!」


下の名前を聞き出すときも使ったけれど、これは色々な場面で応用できるようだ。

私としては家族になったのだから“パパ”と呼びたいところだけど……。

文子さんもそうだけど、私と和四の両親役には少し若すぎたのかもしれない。

でも、この2人じゃなかったらすぐに家に帰されていたかも……